かなり前の事ですが、檀家さんのご親戚ご夫妻が将来の葬儀の相談に来られました。
年金生活で、さらに体調が悪いようです。
子供達も立派な大人なのですが、離れた地にいるため将来の仏事のことを話しても、それほど気にしていないと話していました。
「終活」の言葉を知り、私のところに来たわけです。
土葬の頃は、組合の方々が準備をしましたし、列席者も多く、葬儀にはあまり経費が掛かりませんでした。
しかし、火葬の時代となると、近在の方に掛かった経費を聞くたびに、途方に暮れると話していました。
その折り、知り合いの葬儀社を紹介し、お寺で葬儀を行うことを提案しました。
葬儀費用も負担のならないよう、一切の金額を示し、全額は無理でしたが、奥様に預けていただくことに致しました。
それから三ヶ月後ご主人は亡くなり、長男が喪主となりましたが、弔問の方が多くあり、どうにか予定の範囲で収まったようです。
ただし、通夜振る舞いは無し、引き出物のも低価格な品にしていただきました。
お墓はすぐには建てられませんでしたが、そこそこのお墓が一周忌までに建てることが出来ました。
菩提寺がない場合、葬儀社の言いなりになってしまうことがあります。
お寺やお墓に経費が行くよりも、葬儀社のもうけを一番に考える業者がいるからです。
特に病院で紹介された葬儀社は、注意が必要です。見積もりと実際の支払いに、大きな違いがあることが多々ありました。
それから数年後、奥さんも亡くなりました。
その時は寺の法要があり、お貸しできないため広域斎場で行いました。
以前にお父さんの葬儀を経験していましたので、ご長男も親族も安心して行えたと話していました。
お二人とも境内の安置所にご遺体をお預かり致しました。
光熱費をいただきたいのですが、あくまでも無料でお預かりしています。
ただし、指定業者だけですが。
この経費が他では、かなりの金額になります。
火葬までの日数が長ければ長いほど加算されるのです。
上の写真は、安置所での葬儀を行った時のものです。
檀家さん以外も指定業者であれば、無料でお貸ししています。圧倒的に檀家さん以外が使用しています。
この時は、当日になって急に兄弟が葬儀を依頼してきました。
火葬の前に済ますことになり、早い時間でしたが葬儀を行うことが出来、親族もホッとしていました。
ご遺骨は、当寺の永代供養塔にお預かりすることになりました。
兄弟は遠方の方が多く、火葬後に御本堂で拝んだあと、すぐ納骨致しました。
自分の死後を前もって考えておくことは、なかなか出来るわけではありません。
この場合は、良いご兄弟に恵まれたためです。
奥さんも永代供養塔に祀られました。
家族はお墓参りはもちろん、永代合同法要には必ず参列しています。
安置所での葬儀は、三度あったと思います。